浜松市の新中期財政計画では、平成26年度までに借金の総額を
5,000億円に減らすことを目標としています。平成18年度末では、
5,632億円(計画時は5,663億円なので少し早目に減らしています。)でしたから、8年間で632億円を減らすということになります。
新中期財政計画
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/finance/middle/cpn_index.htm
静岡県の財政健全化計画では、借金残高は
2兆円程度を上限としていますが、臨時財政対策債などの特別の借金や特別会計、企業会計の借金は除いています。浜松市の借金削減計画は、恐るべきものと感じています。
そういう視点で、浜松市の借金総額5,632億円の内訳を見ますと、
一般会計3,057億円(臨時財政対策債だけで500億円程度あります。)、
特別会計168億円、
企業会計2,407億円となっています。
一般会計については、県は5,000億円程度の税収で、1兆9,000億円程度の借金をしていることとの比較では、浜松市は1,200億円程度の税収で、約4倍の4,800億円との対比で、約半分の2,500億円程度の借金となっています。
一般会計の借金では、学校や福祉施設350億円程度、道路や河川600億円程度のほか減税ほてん債や臨時財政対策債があり、これらについては、もっと研究する必要があると思いますが、今回気になったのは、企業会計で、しかも
下水道事業の借金が1,904億円に上ることです。
下水道に関連する事業としては、県では
流域下水道事業があり、市では
公共下水道事業、
農業集落排水事業などがあります。流域下水道事業については、政令指定都市になると移譲されるようですね。
一時、景気対策のための公共事業として推進されてきた
下水道の普及率の向上は、行政課題とされています。例えば、静岡の自宅の地区では公共下水道が整備されていますが、接続した方々からは、料金が上がったなどの文句が聞かれ、いまだに浄化槽で処理している人達もたくさんいます。浄化槽でも水洗トイレは活用できますからね。
公共下水道事業は企業会計ですから、
料金収入でやっていくのが原則ですが、税金で補てんする制度があります。
一般会計繰出基準を勉強していた頃、公共下水では、
雨水の処理をするので、その分を税金を投入するのだと聞いたことがあります。都市化が進んだ地域では、雨水も税金を使って制御するのかと思ったものです。
公共下水による処理は、スケールメリットが働きやすい事業で、都市化・集中化が進んだ地域では、それぞれの家庭が浄化槽を持って処理するより、公共下水でまとめて処理する方が効率的で効果的です。地域特性をよく考える必要があるということだと思います。
浜松市の下水道事業につきましては、このような点に注意しながら、どの程度の投資をし、どの程度の料金にし、どの程度税金を投入するのかについて、中期財政計画を作成しております。これをどのように評価すべきか、一緒に考えて見ませんか。借金削減の鍵は、下水道事業が握っているのだと感じています。
浜松市下水道事業中期財政計画
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/admin/finance/middle/water/gesui_tyuuki.htm