経常収支比率とは、歳出のうち人件費や公債費など経常的な支出に、市税などの経常的収入がどの程度充当されているかを示すものです。財政構造の弾力性を判断する指標で比率が低いほど弾力性が大きいことを示し、一般的に80%を超えると弾力性が失いつつあるといわれています。というのが一般的な定義です。
算式は、(経常経費充当一般財源)÷(経常一般財源)ということになりますが、こういう場合、もう少していねいに検証してみる必要があると思います。
まず、分母となる経常一般財源ですが、地方税、普通交付税を中心とする毎年度経常的に収入される一般財源とされています。道路特定財源とされている地方譲与税や自動車取得税交付金、さらには交通安全対策特別交付金も経常一般財源とされています。
次に、分子となる経常経費充当一般財源ですが、決算統計では、義務的経費や投資的経費などを性質別に分類して、それぞれに充当している一般財源を計算しています。そのうち、経常経費分をこのような言い方をします。人件費、扶助費、公債費、物件費、維持補修費、補助費等、繰出金というのが経常経費として一般財源が充当されるものです。分類方法は、総務省が細かく決めており、ルールに基づいて算定されています。
近年は、経常収支比率の数字はもう1つ示されており、減税ほてん債及び臨時財政対策債を経常一般財源の扱いをして分母に加えた場合という数字もあります。これは、本来、税や交付税で措置すべき額を臨時的に地方債で措置しているということから、時系列での計数比較のために示している数字です。
浜松市の平成18年度の経常収支比率は、88.0%、減税ほてん債及び臨時財政対策債を加えた場合は、83.6%です。
ちなみに、平成17年度の夕張市の経常収支比率は125.6%で、減税ほてん債及び臨時財政対策債を除いた場合は134.2%だそうです。これらのデータは、総務省のホームページで見ることができます。
http://www.soumu.go.jp/iken/zaisei/card.html
ぜひ、詳細をご覧ください。いろいろなことがわかります。例えば、浜松市は公債費の一時借入金利子はゼロですが、夕張市は、1億3,625万円です。